昨日、工房で窯入れを行い、それに伴って窯以外のブレーカーを落としていたので、今日は工房での作業は休みました。朝から家内を誘って横浜の中心街にあるミニシアターに映画「プーチンの愛国教室」を観に行きました。ウクライナと戦争を始めて4年が過ぎていますが、ロシアでは何が行われていたのか、本作は学校を通してロシアの現状を如実に表していて、胸に詰まるものがありました。図録にあった冒頭の文章を引用いたします。「プーチン大統領は子どもたちを〈未来の兵士〉として育てるため、戦争を賛美し参加するよう学校で教え込む『愛国教育』の導入を新たな国家方針として発令。和やかだった学校の雰囲気は、瞬く間に緊迫した『戦時中』のものへと塗り替えられていく…。」本作の主人公はイベント企画・撮影担当の教員で、彼の撮影を通して生徒たちの様子や同僚の葛藤が描かれていました。これはドキュメンタリーで、教室内の様子や個人の撮影には最大の配慮がなされていましたが、この映画を制作するにあたり、事実を事実として提示するためのスタッフ側の迷いもあったようです。観ている私は嘘と不条理に満ちた独裁政権が、学校教育を利用して生徒を洗脳していく過程に何とも言えない気持ちを抱きました。国際社会の情報が規制された国では、愛国教育の意義を高々と話す教師にも偏った思想観を咎めたくなるところですが、これは個人の問題ではなく、国家の信条を信じて疑わない彼らの純粋さにも私は注目をしてしまいました。また図録にこんな文章もありました。「ロシアの愛国教育は国家への忠誠だけを求めているわけではない。『祖国を守ることは善である』という道徳的価値観を子どもたちに教えようとしているのである。だからこそ、戦争への協力を拒否することは単なる政治的反対ではなく、時に『祖国への裏切り』と見なされる。本作に描かれる教育現場の変化は、この『祖国』という言葉が持つ感情的な力なしには理解できない。~略~第98回アカデミー賞ドキュメンタリー賞受賞という栄誉は、パーシャ(撮影担当教員)の命がけの告発に対する、世界からの最大級の敬意の現れに他ならない。本作が映し出す重苦しい真実は、今を生きる私たちに『教育とは、そして国家とは何か』を激しく問いかけてくる。」(廣瀬陽子著)